%e7%a4%be%e9%95%b7%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0

社長ブログ

量子論とビジネスの話:成果が見えない不安をどう超えるか

前回のブログでは、「努力はある日突然、クォンタムリープ(量子跳躍)的に現れる」という話をしました。
今回はもう少し深掘りして、「成果が見えない時期の心の持ち方」について、量子論の考え方を使って考えてみたいと思います。


見えない成果の正体:「重ね合わせ」という可能性

ビジネスの現場で、人財育成やプロジェクトに取り組む中で、すぐに成果が出ることは稀です。育てても、育てても、なかなか自立しない若手社員。半年かけて準備した新企画が、反応ゼロ。こんな時、「この方向は間違っているのでは」と迷いが生まれます。

でも、量子の世界では、「成功」と「失敗」は同時に存在しています。
これは「重ね合わせ(スーパー・ポジション)」という量子力学の概念です。

つまり、目の前の結果がまだ確定していないだけで、「うまくいく未来」と「うまくいかない未来」が、今この瞬間にも両方存在している。私たちがそれをどう“観測”するか、つまり、どんな行動を選び、どう関わるかで、最終的にどちらの現実が現れるかが決まってくる。

人財育成も同じです。成長してくれるかどうかなんて、最初から分かりません。
でも、信じて関わり、育て続けることで、「成長する未来」が“確定”する日が来る。
途中で手を離せば、「伸びない」という現実で終わってしまう。

だから私は、育成も事業も「途中で判断しない」ことを意識しようと思います。
成長も成果も、実は目に見えない場所で“同時に存在している”。それを選び取れるかどうかは、私たち次第なのだと思います。

そして何より、私は信じています。社員一人ひとりはシャイン(輝く)存在であるということを。
光を放つ瞬間が必ず来る。その可能性を信じることが、経営の本質だと思っています。


未来は読めない。でも、それでいい。「不確定性原理」が教えてくれること

もう一つ、量子論における有名な考え方があります。
それが「不確定性原理(Heisenberg’s uncertainty principle)」です。

これは、「ある粒子の位置と速度は同時には正確に測れない」という法則です。
つまり、何かを正確に知ろうとすればするほど、他のことが曖昧になる。
この現象は、ビジネスでもよくあることです。

「このプロジェクトは、いつ、どれくらいの成果を出すのか?」
「この社員は、何年後に戦力になるのか?」
──こうした問いに対して、正確な答えは出せません。数字だけで測ろうとしても、見えない部分は必ず残ります。

でもそれでいい。
すべてをコントロールできないからこそ、人は工夫する。
想定通りにいかないからこそ、創造力が必要になる。
予測できない未来があるからこそ、挑戦が面白くなるのです。 不確定だからこそ、余白がある。
そしてその余白に、希望や成長の種が埋まっている。
私はそう信じています。


最後に:見えないものを信じられるかどうか

ビジネスにおいても、人生においても、本当に大事なものは、すぐには目に見えません。

人の成長も、信頼関係も、ブランドの力も、すべて「じわじわ」育っていくものです。そして、ある瞬間に“確定”して、はじめて「結果」として現れます。

量子の世界では、目に見える前から“可能性”が存在しています。
そして、その可能性をどう観測するかによって、未来が決まる。

だから私たちは、目に見えない努力を積み重ねる。
すぐに成果が出なくても、諦めずに関わり続ける。
「この人財は、必ず輝く」と信じて向き合い続ける。

「うまくいくかどうか分からない」ではなく、
「うまくいく可能性はすでに存在している」。

そう信じて行動できる人が、最後に結果を手にするのだと思います。経営も、人生も、不確実の中を歩むからこそ、不安がつきまとう。
でも、それがあるからこそ――実に面白い。